第12章 The Clone Wars.6
「はぁ。」
速足で帰ってきた城。プレに部屋を案内してもらうと、ジェダイテンプルやスターデストロイヤーと違ってふっくらとしたベッドがエキドナを迎えてくれて、プレがいるにもかかわらずベッドに倒れこんだ。
「医療ドロイドを呼びましょうか?」
「大丈夫です。このくらいすぐ直りますから。…数か月ぶりの復帰だったので少し気疲れしてしまいました。申し訳ございません。」
がばっと起き上がってそうプレに伝えると、プレは急いで出て行ってくれた。
ドアが閉まる音と共に流れた涙は、エキドナのローブを濡らす。
「……っ。」
確かに彼女はとても女性的だ。公爵なだけあって最高のケアをしている肌に、筋肉など必要最低限しかついていないであろう華奢でしなやかな体。
パドメと同じくらい綺麗な彼女の顔を思い出すと、またエキドナの顔はゆがむ。
「エキドナ?起きているか?入るぞ。」
その時。扉の向こうからオビワンの声が聞こえてくる。
少し息を切らしているようで、エキドナを追ってきたのがわかる。
エキドナに寄り添おうとするその優しさが、今は嬉しくて、苦しくて、悲しくて、邪魔だ。
「エキドナ、大丈夫か?」
扉が閉まるのと同時に抱きしめられ、半年ぶりに感じられる彼の包容力にますます胸は苦しくなる。
「犯人を取り逃がすことなんてざらにある。そう気を落とさないでくれ。それよりもこんなに早く会えるとは思ってもなかった。」
キスをしようとオビワンが一度エキドナの身体を離すと、エキドナはこの上なく苦しそうにそのまま2歩うしろに下がる。
「…出てって。」
「エキドナ?」
「ごめん。」
これ以上一緒には居られない。
居てはもうエキドナの精神が持ちそうになかった。
そんなエキドナが精一杯発した言葉はその一言だった。
何が何だかまだ察せられないオビワンは、そんな見たことないほどに寂しそうな顔をしながら何も言わずにでていく。
オビワンの中で一番大好きなその優しさに、枕に顔をうずめたまま泣き叫ぶ。
そうじゃない。そうじゃないのだ。気づいてほしくて、気づいてもらえなくて、今彼はまたサティーンのもとへ戻って行っていることが、嫌で嫌で、涙が全く止まらない。
オビワンに会えなくて心を痛めた、カミーノ生活での自分が馬鹿馬鹿しい。