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陽の沈む夜に。

第12章 The Clone Wars.6


「…っ!」

犯人は、そんなエキドナの体術に臆せず装甲された拳で、顔に殴りを入れられる。
そのまま吹き飛ばされると、エキドナはセイバーを起動し、痛みに顔をゆがめながら口内に溜まる血を吐き出すと犯人の腕を切り落とした。

「私の勝ちね。大人しく事情を聞かせて。」

そう言って、腕を切り落とされたことによる痛みにもがく犯人のヘルメットを取ると、胸を蹴って仰向けにした。

「俺は絶対喋らねぇ!こんな呆れた平和主義国家なんてマンダロアじゃねぇ!!」

どうやらサティーンの政治が気に入らない人間のようで、反政府的思想を語る。

「大人しくして。」

そう言いながらエキドナが男の腕と胴に拘束具をしたとき。

「?」

脳裏に浮かぶ次の瞬間の自分の、スナイパーによって撃ち抜かれる様子。
フォースからの危険信号に瞬時の回避を取ると、取り押さえた男は頭を撃ち抜かれて死んでいた。

「うっそ。」

目の前で目を開けたまま死んでいる男の瞼を閉ざすと、あとからやってきたオビワンの姿を見て犯人を連行できなかったショックに覆いかぶさるようにエキドナのフォースに灰色の雲を宿した。

「ごめん。狙撃手に隠蔽された。」

「マンダロリアンだ。エキドナ、怪我はないか?」

「右頬にこの固い装甲服で殴られたけど、それだけ。公爵は?」

「大丈夫だ。あとは民間に任せよう。エキドナも治療を受けたほうがいい。私から報告しておくから何があったか教えてくれるか?」

オビワンの、エキドナを見る目に熱があることは分かっていた。
唇に吐き出した血の跡がついており、それを拭いながらやっとエキドナに触れられて喜びの笑みを浮かべている彼は、エキドナの両肩を掴み、撫でては嬉しそうにする。
しかし、そんな彼にエキドナが初めての拒絶反応を起こす。気持ち悪く思え、自然と後ずさりをした。

小さな嫉妬だと。この時悟る。
ジェダイとしてあるまじき独占欲に、今自分がどっぷりと浸って抜け出せない。
そのような感覚に寒気を感じて、オビワンから目をそらした。
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