第11章 The Clone Wars.5
アナキンもオビワンも嬉しそうにいつものジョークをかまそうとしたが、後ろにティがいることがわかるとその口を噤んだ。
「心配かけてごめん。もう大丈夫。」
「でもなんでマスターティの船からの通信なの?」
アソーカがオビワンやアナキンも思っていた疑問をぶつける。
「今から半年、リハビリのためにカミーノに行くことになったの。この通信はマスターが特別に許してくれたの。」
「半年?!ま、マスター。それまで貴方は戦場に出向かないのですか?」
「そういうこと。アナキン。」
オビワンは、横でずーっと顔に出ないよう、腕を組んでいつも通り髭を触っている。
下手なことを言うわけにはいかないからだ。
「そんなぁ!なんとかならないの?マスターエキドナ。」
「一か月も眠っていたんだから、仕方ないよ。半年たてば状況にもよると思うけど、またみんなと任務できると思うよ。」
やはり、この安定感のある会話に涙がこぼれそうになる。
エキドナは涙声にならないよう、必死に抑えながら会話をつづけた。
「みんなが元気そうでよかった。どうか、怪我しないで。」
ごまかしながら眉をひそめるオビワンに、エキドナは一瞬目線を送る。
オビワンはそれに気づいたようで、口を開く。
「早く戦場に戻ってくれ。エキドナが居なくてはハンフリーたちがアソーカのせいで過労死してしまうぞ。」
「そうね、それは困るな。帰ってきて評議会の指示に背くようになってたらどうしよ。」
「ちょっとマスター!」
アソーカが眉をひそめて怒り、それを笑う中。通信の終わりは突然やってくる。
「将軍!敵艦隊です。グリーヴァスの船かと。」
「分かった。マスター行かないと。」
「無事を祈っとくね。行ってらっしゃい。」
エキドナの返事を最後に、アナキンとアソーカはホログラムから消える。
「私も行かなくては。」