第11章 The Clone Wars.5
「エキドナ。元気そうね。」
「はい、マスター。迎えに来てくださってありがとうございます。」
「いいの。貴方はジェダイの中でも期待されてる。しっかり感覚を取り戻して復帰しなさい。」
いつもは強く美しく、厳格な雰囲気を出しているティは、エキドナにだけ優しい。
彼女は、エキドナの前に居たパダワンが卒業する前に亡くなっているので、エキドナが無事育ち、今も活躍していることが嬉しかったのだ。
「マスター。一つご提案が。」
怒られるのは覚悟の上だったが、どうしてもオビワンの顔を見ることをあきらめきれず、エキドナはダメ元でティに話しかけた。
「オビワンやアナキンに、せめて元気なことを伝えたいのですが…。」
「……。」
勇気を振り絞って伝えた提案。それに対しての沈黙がとても怖い。
なにも読み取れないティの表情におびえていると、意外な答えが返ってきた。
「仲のいいこと。いいでしょう。私の船から通信しなさい。」
「ありがとうございます…!」
エキドナは飛び跳ねるような勢いでお礼を言うと、さっそく通信室へ向かった。
…しかしだ。
「貴方のより小型のデストロイヤーだけど、分かるかしら?」
エキドナは戦場に一番出向くということで、相当な額をつぎ込まれた大きなデストロイヤーに乗っている。しかし、それを与えられているのはごく少数のジェダイであり、ティは防衛任務に就いているので小さなデストロイヤーが割りあてられているのだ。
「大丈夫です。」
確かに少し操作は違うが、やり方は分かる。
それにしても、後ろで一緒に通信する気満々のティを見てエキドナは、当初企んでいたアナキンやアソーカとの連絡を分け、オビワンとの長く通信することをあきらめた。
3人いっぺんに通信を開始すると、それぞれコーディ・レックス、ハンフリーがホログラムに映る。
「ハンフリー?」
「将軍?ご無事そうで何よりです。」、
「なんであなたが?」
「マスター、ごめん。私が借りてるの。」
「アソーカ…!」
アソーカを始めに次々映し出されるアナキンとオビワン。
エキドナは嬉しくて、そして今からの任務に対して寂しくて、目頭が熱くなった。
「マスター!元気そうですね。」
「元気そうだな。」