• テキストサイズ

陽の沈む夜に。

第11章 The Clone Wars.5


「議員も守れなかったし、ウイルスが放たれたし…出来の悪い、ジェダ…イで、ご、めん。」

何もできなかった無力さに、ぽろぽろと涙があふれる。
まだ死にたくない。まだ一緒にみんなで宇宙を飛び回り、オビワンと思い出を重ね、唇をまた重ねたい。
そう思うだけで涙が止まらなくなった。

「封鎖は絶対解、か、ないで…。2人と出会えてよか、ったよ。」

喋れば喋るだけ刺されるような痛みに咳が止めどなく出てくる。

「幸せ、だ、ったよ。」

「エキドナ!」

アナキンも焦った声でエキドナを呼びかける。
しかし、エキドナの視界は曇っていく一方。アナキンが目の前にいるのでオビワンに愛してるとは言えないが、精いっぱい伝わるように言葉を選んだ。

「フォースと、共に…。」

「エキドナ!」

手からコロンと滑り落ちた通信。オビワンたちのホログラムに最後に映ったエキドナは、瞳を閉じて眉間にしわを寄せて苦しそうに気を失っていた。



…それから30分後。
ラボのウイルスを除去し、緊急搬送されたエキドナやアソーカ、パドメ、クローン達は、医療ドロイドによって運び出される。

アソーカやパドメ、レックス達は軽度で済んだものの、部屋に避難していたわけでもなく廊下でもがき苦しんでいたエキドナは、外界の空気を吸っても応急処置を施されても、バイタルが安定しただけで目を覚ますことはなかった。

特にエキドナは、女性であるがゆえに身体が小さくその分血液が巡りやすい上に肺が小さい。
それに加え、疲労が重なったことで意識不明の重体で搬送される。

その時のオビワンは珍しく取り乱したようで、訓練生の時から仲が良かったからと言い訳をしながらも、集中治療室に入るまでの間エキドナのそばを離れなかった。
そしてウイルス事件から2日。
オビワンは何事にも手つかずなままジェダイ評議会に担当区域に戻るよう命令を受け、エキドナの目覚めを待つこともできずコルサントを旅立った。
/ 229ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp