第11章 The Clone Wars.5
「アソーカ聞こえるか?」
「ばっちり、マスター。爆弾はもう安全。ヴィンディは捕まえた?」
それから何十分も駆け巡ったエキドナは息を切らしていた。
だが、爆弾が解除されたという報告に、心臓が脈打つまま腰が抜け座り込む。
廊下の真ん中でへなへなと座り込むんだまま通信を聞いては息を整えた。
「あぁ捕まえた。パドメは?」
「すぐ隣に居る。えぇ、私も元気!ご心配なく。」
エキドナもこの通信に入ってふざけたがったが、そんな気力もないくらいに疲れていてしばらく座ったままぼーっとしていた。
寝不足が祟ったのだろうか。少々の無理をしてもいつもはここまでの動悸や疲労感はない。
「エキドナ?アソーカ?」
またもや通信が入り、エキドナは応答ボタンを押す。
「私達はヴィンディを連行する。後始末を頼んでいいか?」
「もちろんよマスターケノービ。」
「了解。アソーカ、そっちに向かうね。」
「出発する。頼んだ。」
通信が途絶え、アソーカのもとへ行こうかと重い腰を上げる。
しかし、やはりすごい疲労感から歩くスピードはゆっくりだった。
しかし、事態というのはガムを噛もうと取り出すことすら許さない。
突然なり始めたラボの警報に、びくりとなって驚くとアソーカに通信を繋いだ。
「アソーカ?」
「マスターエキドナ、回収した爆弾の中に一つウイルスが抜かれているものがあったの。ドロイドが持ち出してる。探さなきゃ。」
「了解、ドロイドを捜す。」
通信を切ると、先ほどの疲労モードとは打って変わって走り始める。
「結構やばい奴だ。」そう体の本能が知らせていた。鳥肌が立ち、先ほどとは比べ物にならない位の緊張が筋肉を硬直させる。
「まずいなあ。」
エキドナが一度立ち止まって、悔しさに唇を噛み締めた時、地面でも割れたかというくらいの大きな爆発音と地鳴りがした。
衝撃波で吹き飛ばされたエキドナは、咄嗟にあった突起に捕まって体制を戻すが、大体の予想できる状況にエキドナは再び走り始めることもなく溜息をついた。
「どうした?」
「ドロイドがウイルスを撒いたの。ラボは封鎖した。」