第6章 The Clone Wars.1
「アナキン!ものすごく遅刻ね。」
「巨大なネブレイマンタとちょっと寄り道してたんですよ。」
「あら楽しそう。さて、すでに一隻船がやられてるから急いで。」
「了解。」
アナキンと通信を切ると、エキドナはまた窓の外から様子をうかがう。
すると、レーダーから警告音が鳴り、振り返ると、敵からのロックオンを受けていると表示される。
この医療施設も終わりだ。最後の最後までにアナキンが何かしてくれることを祈りながら、エキドナは近くにいたクローンとナラ・セにこういった。
「希望は捨ててない。けれど、2人は救援船へ避難してください。私は残ります。」
「いいえ、私も残ります。マスタージェダイ。それがここのセンター長としての役目です。」
「では2人で残りましょう。ただ希望だけは捨てないでください、今あそこに見えるファイターわかりますか?」
「はい、黄色いものですね。」
「私の元弟子です。彼なら必ずやり遂げてくれます。」
「そう信じましょう。」
ナラ・セと2人で窓の外を眺めれば、敵艦も味方も爆発を引き起こしている。
エキドナにとっては見慣れてはいけない見慣れた光景であるが、ナラ・セは心を痛め、あまり見たくなかったようだった。
そして、警告音も一番危険度の高い音まで引きあがり、マレボランスの先端にイオンパルスが充填されているのが見える。
「アナキン。お願い…。」
窓から願うエキドナの目の前で、イオンパルスは充填を完了させるが、それが発射されることはなかった。
「…!」
ほっとした表情のエキドナをみて、ナラ・セはこう言う。
「貴方が信じていたからこそですね。」
嬉しそうに笑うエキドナは、マレボランスが炎を上げて大きく爆発する様子を眺める。
そしてレーダーから、3隻の船がハイパースペースを出たことを探知し、共和国の船というところから愛しい彼の到着を知る。
「エキドナ、施設は無事ですか?」
「おかげさまで。ナイス。」
「犠牲も大きかったですが。そちらへ向かいます。」
容赦ないオビワンからの猛攻撃に、マレボランスは退却の姿勢をとっていく。
その様子を眺めていると、エキドナが入ってきた入り口からアナキンとアソーカの姿が見えた。