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神室町の女探偵【JUDGE EYES】

第2章 【同業者】


「待て…!」

逃げる探偵1人と追いかける探偵2人。
実は3人とも同業者というとても奇妙な図を作り出していた。

『はぁっ…!』

そしてこの男、噂通り本当に足が速い。
さすが逃げ足の速い探偵だと言われるだけある。

それに遅れを取らず追い続けられる革ジャンの男も中々に体力のある男だった。

一方香は要求される持久力に着いていけず、段々と距離が空いていく。

香はその速さに着いていくのを諦めた。

『(GPSで位置も分かるし追いかけるより先回りでもしようか)』







先回りをして待つと逃げる鵜沢とその少し後に革ジャンの男の姿が見えた。

鵜沢は前にいるのが香だと分かると左の空き地に飛び込んだ…が、そこは行き止まりだ。
香はこれを狙っていたのだ。

革ジャンの男がタックルすると鵜沢は無様にも地面へと転がる。

「往生際が悪いよアンタ。」
「うるせぇ…俺にはな、俺の返済計画があんだよぉ!」

香がゆっくり歩きながら空き地へ着くと鵜沢が革ジャンの男に殴りかかる姿が見えたが、革ジャンの男はそれらの全てを軽々と防いでみせた。

『速やかに諦めた方が身の為ですよ。貴方も痛い思いなんてしたくはないでしょう。』
「先輩探偵さん、遅かったね。体力の方はそんなに無いんだ?」
『…男性と女性の身体能力を同等だと思わないで下さい。』
「そう?」

香の方に顔を向けている男に隙ありと鵜沢は再度殴りかかるがそれを見ずに拳を受け止めてみせた。
それどころか一発鵜沢の顔に拳を入れて仕返した。

殴りかかられたら殴り返す、それを数回繰り返して数分程…。
鵜沢は顔に血を滲ませていた。
それを見た香は革ジャンの男へ仲裁の声をかけた。

『それぐらいにして下さい。これ以上やると例え依頼の為と言えどこちらの部が悪くなりますよ…そもそも暴力自体ご法度ですけど。』
「俺別に正当防衛しかしてないんだけどなぁ。」
『色々と面倒くさいんですよ…。まぁ私もグレーゾーンなんて日常茶飯事ですが、』

そんなやりとりをしながら余裕を見せる2人に鵜沢は息をつき見上げる。

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