第26章 秋
中2の10月31日、場地さんが死んだ。
あの人のいない学校はあまりにもつまらなかった。
「千冬ー、今日の合唱コンクールサボろうぜ」
「賛成〜」
「…サボんねぇよ、出たくなきゃ勝手にしろ」
「え!?いや、まぁ、千冬が出るならサボらねぇよ!なぁ?」
「お、おう!でも意外だな、千冬そういうのちゃんと出るタイプなんだな」
「…」
出るタイプではないし、合唱が好きなわけでもない。
ただわざわざサボる必要もないだけだ。
憎たらしいあのチビがきっと弾くだろうから見たいとか、聴きたいとか、そんなんじゃない。