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【東リべBLD】君の鼓動を旋律に【松野千冬】

第17章 その気持ちの名前は知らない





「にしても貧相な体してんなぁ、!」
「ひぁッ!?」

突然、後ろからバスケ部のやつにシャツをグイっと上に捲し上げられ、そのまま腹部に触れられる。
咄嗟にでた声は自分でも悲しくなるほど情けなかった。

「え、声エッロ…」
「馬鹿か!!何すんだ、やめろ!!」

抗議の声をあげて精一杯抵抗するも悲しいかな、力適わず。

「腰細ッ!女みてぇ……ぶはァッ!!」
「え?」

もう好きにしたらいい、と諦めていた時。
そいつはバキッという生々しい音を響かせた後悲鳴と共に吹き飛んでいった。

何があった。

「ち、千冬………いでぇ……何すんだ急にッ…!」
「テメェ、殺されてえのか?
何"オレの"に触ってんだよ。マジでぶちのめすぞ」
「ちょ、落ち着けって千冬!大丈夫かよお前!」
「うわー、千冬こえー…」

訳が分からないまま呆然としていたが、どうやらあいつは千冬にぶっ飛ばされたらしい。

「大丈夫か?」
「へ?いや、俺は全然平気だけど…」
「平気じゃねーだろ。無防備すぎ。他の男に簡単に触らせんなよ」

不機嫌そうにそう吐き捨てた千冬は、元いた場所に戻りシャツのボタンに手をかけ再び着替え作業にもどった。

「はぁ…?意味わかんねぇ、何怒ってんだ…?」
「、お前エグい気に入られ方されてんな…何したらそうなんの?」
「お、俺だって知らねぇよ…!」
「くそぉ、千冬本気で殴りやがった…俺保健室いってくるわ…」
「おう、そのままサボっちまえ。
にしてもなあ、場地さんにもなかなかだったけど、ここまで誰かに執着してんのは初めてみるわ」
「恐るべし、…」
「はぁ…?」


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