第13章 仲直り
「………、僕、君が羨ましかった。ずっと君になりたかった。いつもコンクールで君をみてた。
最初は、純粋に友達になりたいと思ってたのになぁ……」
「高木…………」
「、ピアノやめないでよ。君のピアノはいずれ世界中の人々の心を揺さぶる」
「大袈裟だ」
「大袈裟?
ショパン国際ピアノコンクール、出るらしいじゃないか。そりゃそうだよね、むしろ今まで出なかったことが不思議なくらいだ」
「高木、俺の話なんかは…」
「応援してる」
やっと顔を上げた高木は、これまで見たことがない穏やかな顔をしていた。
どこか吹っ切れたような。
「アジア大会突破して、ポーランドで1位取ってよ、。友達が国際コンクールで優勝したって、自慢させてくれ。
俺の夢を君に託すから。
だから、ピアノはやめないで」
僕のために泣いてくれる君をみてたら、なんかどうでもよくなっちゃった。
そういって、高木は力なく微笑んだ。