第13章 仲直り
後の事は大人が処理する事になった。
これから、高木はどうなるんだろう。なんであんな事をしてきたんだろう。
何もかもわからない。
あまりにも気が動転していたので、俺は早退する事になった。
一人じゃ心配だから、と千冬も一緒に早退してくれた。
体中が震えてまともに話せないまま家に帰っても、きっと母親を心配させてしまう。
一度どこかで気持ちを落ち着かせたい。
そう伝えると、近くの公園のベンチに座らされた。小走りで自販機に向かい、俺の好きなキャラメルラテを買ってきてくれた。
「………千冬、あ、あの、ありがとう」
「おう」
「それから………悪かった。ごめん……」
「おう、オレも悪かった。ごめんな、」
隣でカシュ、と炭酸飲料のプルタブが開く音がする。そのままコーラを呷る姿は男らしくてかっこいいなと思った。コーラが似合いすぎてる。
俺も飲もうと蓋を空けようとするが、手が震えて上手く力が入らない。
それに気づいた千冬が、何も言わずさも当然のように蓋をあけて、俺に戻してくれた。
「悪い、空けてから渡してやればよかったな」
「あ、いや……ごめん」
口に含むと、まろやかな甘さが口いっぱいに広がる。
「…オレさ、お前に嫌われたって思ってたよ。すぐ新しい友達作って、オレの事なんかもういらないみたいな感じでさ。普通に凹んだんだぜ?」
「お、俺だって!お前、俺のとこ全然来てくれなかったし…。
それに、やっぱああいう明るくて派手なヤツらといた方がお似合いだったから…。
すげぇ声かけにくかったんだ。
俺から離れないって、言ったくせにさ………」
「ッ……!」
ああ、ガバッと抱きしめられるのも、久しぶりだ。
この優しい香りが好きだ。
苦しいくらいにハグされるのも、今は心地いい。
「ごめん、ごめんな。そうだよな、お前の言う通りだ。もう絶対離さねえから」
「…嘘だ。どうせまた離れてく」
「嘘じゃねえ。オレはお前以外いらない。
離れてる間もお前のことばっかり見てたから、周りからスゲーおちょくられまくってたんだぜ?」
「……ほんと?」
「ホント。ずっとお前の傍に行きたかった。オレが変な意地張らないで早く声掛けてれば、お前をこんな怖い目に合わせなくてすんだのに。ごめんな」
「いや、アレはお前のせいじゃねえよ。
でも…………」
少し恥ずかしいけど、これは俺の本心だ。