• テキストサイズ

【東リべBLD】君の鼓動を旋律に【松野千冬】

第8章 はじめてのお泊まり編①





「お待たせ、やっぱコンタクト楽だな」
「………」

ついでに着替えてきたのだろう。
先程の制服姿とは違い、シンプルだがよく着こなされた私服姿に一瞬にして心を奪われた。

「………松野?」
「……………」
「おい、松野ってば!」
「お、おお!ビックリした」
「なんだよ、オレの私服姿そんなに変かよ」
「そんな事ねえよ、むしろよく似合ってる」
「あ、そ……」
「ちょっと、こっち来い」

そういって、ソファに座っているオレの隣をぽんぽんと叩き招く。
へえへえと顔に似合わない返事をしながら座った。
お利口さんだな、と言って腰に手を回すと何とも言えない顔をした。

「……なぁ、なんか近くねえか?」
「さっき押し倒された時のが近かったぜ」
「まあ、確かにそっか。クッキー食おっと」

オレもお前が安定して馬鹿で助かったぜ、と心の中で囁く。

「オレも食べたい。食わせて」
「自分で食えよ」
「いいから」
「ったく、ガキみてー」

そういって、アーンなどという甘い雰囲気を一切感じさせない程乱雑にクッキーを口に突っ込まれる。

「んぐ」
「うん、やっぱ手作りのクッキーって最高だな。松野もそう思わないか」
「……ああ、そうだな」
「だろ。おやつ食った後どうする?どっか行くか?」
「オレはここでお前とのんびりしてたいけど」
「そうか?お前がいいならいいけど、暇じゃねえの?」
「全然」
「ふうん」
「強いて言えばピアノ聴きてえ」
「今聴くか?CD色々あるぜ、オレのオススメはクリスティ・ブルームの超絶技巧…」
「バカ、お前が弾くピアノが聴きてえって話だよ」
「あ、オレの?いいけど、じゃあ食ったら地下行くか」





/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp