第1章 出会い
「という事で、今月の掃除はこれでやってくれ」
毎月恒例、清掃割り当てのくじ引き。
誰とどこの担当になろうがどうだってよかった。そのはずだったのに。
【社会科資料室担当】
松野千冬
「………………」
よりによってなんでだ。
なんでと二人なんだ。
「……千冬、ドンマイ」
「……はぁ」
協調性なんてまるでなさそうな、その上口の悪い根暗なやつと二人で毎日30分を過ごす。
想像しただけで気が滅入りそうになった。
清掃の時間。
狭く埃っぽい資料室に、と二人。
「松野、重いものはお前が持てよ。俺が持って指を痛めたら困る」
「………テメェ」
「なんだ?俺に暴力したらただじゃ済まさねえからな。親に言って、お前を訴えてやる」
そういって、オレに背を向け床を箒で履き始めた。
マジで舐めすぎだろ。
「おい、態度悪すぎだろお前」
「だから?」
「だから友達いなくていつも一人なんだろーな」
「ああそうだな。俺はお前らみたいに群れなくてもやっていけるからな」
「…テメェいい加減にしろよ」
の肩を掴み、小さな体を壁に押し付ける。
手に持っていた箒が床に落ちる乾いた音が響いた。