第1章 医務室にて。 ポピー ~恋の予感~ ★?
【Side1146番END】
「ふわぁ」
目覚めると時計が朝の6時を指していた。
いつもよりも1時間ほど長く眠っていたようだ。
まだ少し傷が痛むけれど、昨日よりはよくなった気がするなぁと思いながらメガネをデスクの上から取ってかけると、置き手紙があることに気づいた。
一番下を見ると、『1146番より』と書かれていた。
『2355番へ
朝まで様子を見ていたかったのだが、
仕事が入ったからしばらく居なくなる、すまない。
仕事が終わり次第、アイツらも連れてくるから、
ゆっくり安静にしていてくれ。あと、すまん。
1146番より 』
丁寧に書かれたその字は、1146番らしいもので、そしてなぜだか謝っていて、思わずクスッと笑ってしまった。あいたたた...。
―コンコン
タイミング良く鳴ったドア。
誰が来たのかすぐに分かった。
ガラガラと開くドアの先にいたのは4989番、2626番、2048番、そして1146番だった。
4989番は目をこすってまだ眠そうにしている。
「おはよー」と言うと、
「おはよう、もう起きていたか。」と1146番、
「ふわぁ、はろー」と4989番、
「はよー、料理作って来たけど、いる?」と2626番
「よっ待ってたか?」と2048番。
みんなの挨拶が違うのがなんかいい。
ぞろぞろと私の周りにみんなやってきて、どこからか持ってきた丸椅子に腰かけた。
「2355番、もう起き上がれるようになったんだな。よかった」と、1146番は言って少しうれしそうに微笑んだ。
するとなぜだか、1146番と私以外のみんなが物珍し気に1146番を見てから、ニヤニヤしだした。どうしたのだろう。
いきなり、「昨日どうだったんだ?」と2626番が聞いてくる始末。
もう訳が分からない。
「別に何ともなかったけど...。どうしたの?」
「あぁ、何ともなかったぞ。」
私が普通に答えた後に、ほんのり顔を赤くして答える1146番。
またニヤニヤしだすみんな。
本当にどうしたんだろう。でも...
この様子だと、皆にもう一回聞いても、自分で悩んでもキリがないかなと思った私は考えることをあきらめた。