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イケメン王子1口サイズ小説集

第16章 ギルと一緒に異世界満喫してきた!(ギルベルト)


意気揚々とギルが疲れない程度に早足で最後のジェットコースターに並んだ。のだが。

「なんか縦にレールが円を描いてませんか? 夜だから目がおかしくなったんでしょうか。」
「俺の目にもそう見えるよ?」
「よし、乗ります。」
「ふふ、あなた無敵になったね?」

ギルと一緒に乗り物に乗りこんだ。これも上半身をがっちり固定するタイプの安全バーだ。
ガタガタと音を立てて乗り物が登っていく。

「ここが一番ドキドキするかもしれません!」
「落ちる時よりも?」
「落ちるのは一瞬ですから!」

ゆっくりと最高点に達し、そしてぬるっと落ちた。
今までの中で一番遅いジェットコースターだ。緩急があり、落ちる時以外は散歩しているかのような速さで、景色を見る余裕がある。古代遺跡のようなデザインは夢があっていい。

「風が気持ちいいですねギル!」
「……うん。」

そして乗り物は並んでいる時に見えた縦方向に回る部分に差し掛かった。

「わーー!」

ギルとつないだ手ごと上げた。しかしギルの腕に力は入っていなかった。
俯いているギルの顔を覗き込むと、真っ青だ。

「ギル!? 大丈夫ですか?」
「気持ち悪い……」
「あ……」

そういえば酔い止めを飲んだのは朝だった。とっくに効き目が切れている時間だ。

「ギ、ギル、もう少しの辛抱ですよ! 降りたらトイレに駆け込みましょう!」
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