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イケメン王子1口サイズ小説集

第16章 ギルと一緒に異世界満喫してきた!(ギルベルト)


十分後、私たちはアトラクションの列ではなく、チュロスとポップコーンの列に並んでいた。才女と野獣は人気アトラクションだ。そのため、待ち時間が長い。

「ギル、ポップコーンはカレー味とビーフシチュー味、いちご味とウルトラマリン味がありますよ。全部にしますか?」
「うん、全部。ポップコーンバケットも四つ買おう。」
「ウルトラマリン味が不安でならないんですが。大丈夫ですか?」
「流石に天下のネズミーランドがクラヴィスと同じことはしないよ。多分。」
「まあ……クラヴィスさんのあれは才能ですもんね。」
「チュロスはチョコ味とオレンジ味か。あなたは好きな方を食べていいよ。俺が余った方を食べるから。」

列が進んだ。やっと自分たちの番だ。ポップコーンバケットはブーくんの頭のデザインをしている。頭がパカッと開く仕様のようだ。フランケンシュタインかもしれない。

「ポップコーンバケット四つと、ポップコーン全種、チュロスを十本ずつください。」
「えーバケット四つと……」
「ポップコーン全種、チュロスを十本ずつです。」
「かしこまりました。」

スタッフさんはこんな注文でも笑顔は崩さなかったが、内心困惑していることだろう。これだけで一万円が飛んだのだ。
ともかく無事に食料を入手し、才女と野獣の長蛇の列に並んだ。外観は完全にお城だ。周りの水場が涼し気でこの季節にいい。

「これは普通のカレーって感じの味だね。」
「ウルトラマリン味はどうですか?」
「果物の味ではないかなあ。爽やかでしょっぱいよ。これなんだろうね。」

私もウルトラマリン味の青いポップコーンを一つ口に入れてみた。爽やかな香料が鼻を抜ける。

「うーん、ミントではないですね。」
「俺たちの知らない作物かな。ビーフシチュー味はあなたは好きじゃなさそうだ。」
「そうですね、こっちはちょっと。」

きゅぴきゅぴ、きゅぴきゅぴと無心でポップコーンを一緒に頬張る。待機列の傍にはお城の家具が飾られている。
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