第16章 ギルと一緒に異世界満喫してきた!(ギルベルト)
ゴソゴソとギルがかばんを漁って取り出したのは、ミッミーの絵が描かれた小さい紙だった。
「これもしかして……」
「そう、ネズミーランドのチケット。ちゃんと二人分あるよ?」
高揚する胸を押さえてチケットを受け取った。裏面には「ネズミーランド」「九月二十一日」としっかり書かれている。
「あ、ありがとうございます! どうしよう……飛行機は初めてですし、スーツケースに何を詰めましょう?」
そわそわ、そわそわと部屋の中を見回す。
「飲み物と服と生理用品。あとはお土産を入れる袋かな。ふふ、挙動不審だよ子兎さん。」
まさか物語の世界にすぐに行けることになるなんて。ギルはまじまじと喜ぶ私を観察している。
「あなたが喜んでくれてよかった。あなたが好きそうだなって前から思ってたんだ。折角異世界に来たんだから、楽しまないとね。」
一週間後、私たちはネズミーランドへと飛び立った。