第1章 ワンライまとめ
いつものように水をやり、今日は彼女が葉っぱについた水滴を拭おうとこの子に触れた瞬間、10か月間子葉から育たなかった小さい花はみるみるうちに成長し、たくさんの瑠璃色の花を咲かせた。
「わあ、他のどの花とも違う色ですね!」
「……あっ、そうだね。俺は君がこんな能力を持っていたことに驚いているんだが……」
驚きのあまり彼女を凝視していると、手で顔を花の方に向けられた。
「せっかくなので花を見てください。」
「……ごめん。この子はこんな綺麗な色の花だったんだね。」
可愛い、可愛いと言いながら再び彼女が鮮やかな花びらに触れる。
「あ……」
たった今花を咲かせたばかりのこの子は根元から色がくすみ、美しかった瑠璃色の花びらがどんどん散っていく。彼女がまた触れれば……と思っていたころにはもう手遅れだった。
「……枯れてしまったけど、この子の花が見られてよかった。ありがとう。」
しばらく二人で枯れてしまった花を見つめていた。