第12章 You're my other half(シュヴァリエ)
「ベル、こんな時間にごめん。でもどうしても今お茶会がしたくてさ。」
「イヴ……?リオも……」
「ねえベル、ずっと眠れてないんでしょ?だったら、俺たちと深夜のお茶会でもして、気晴らしでもしたら眠れるんじゃないかって、イヴサマと話してたんだ。」
「ちょっとリオ……!お、俺はただ暇でティーパーティーしたくなっただけだから!」
「実はイヴサマはシュヴァリエサマが演習に行った日からキミが寂しくなるんじゃないかって心配して……」
「ああもうもうもう!なんなのさ!君ってそんなに口が軽い人だったの!?」
賑やかな二人につい笑みがこぼれる。
「ふたりともいらっしゃい。今日はどんな紅茶を持って来てくれたの?」
ドアを大きく開き、二人を招き入れる。リオとイヴは紅茶の他にチェスも持って来てくれていた。イヴと一戦交えるものの、いつまでも初心者の私には敵わなかった。
「ふふん、俺の勝ちだね。」
「はいはーい!次は俺と!」
「忖度なしだからね?」
「イヴサマ、俺は忖度しませんよ。でもベルが頑張って次の手を考えてる顔が可愛すぎて負けるかもしれません。」
「それを忖度って言うんじゃないか!」
「リオ、勝つから対戦よろしくね!」
駒を並べ直し、満面の笑みで宣言した。