第1章 夏の思い出
彼女は、オレがヒーローという事を知っているのだろうか?
高鳥
と認識しているので有ればオレがヒーローという事は知ら無いのかもしれない。
けれど
どうせ、公安からの司令を遂行したらこの場所ともサヨナラだ
オレがもし普通の18、19歳だったとしたらひと夏の恋の予感と喜びを感じていたのかもしれない
ただそれだけの事
湯船から上がり浴室の扉を開き剛翼を使ってタオルを取り
テキパキと体を拭いて鞄から着替えを出し身につける
濡れたものをどうしようかとおいた場所に手を伸ばすのに
身につけてきた服はその場所には無かった。
「置いて良いってそういう…ね」
洗濯をするから、どこでも良いから置いておいてくれという意味だったのか
と理解をして脱衣所から出て剛翼を使ってなまえちゃんの場所を探す。すぐ近くの部屋にいるようだった。
その場所に行くかと脱衣所から廊下へ出る。
「高鳥さん」
「あ、ばぁちゃん…変な時間にお風呂使ってごめんね?」
「そんなこん、気にしちょし。もう1人出来た孫が風邪ひいたら大変だからね」
優しく笑いかけられむず痒くなる。
この場所は、オレには少し暖かすぎるかも知れない
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