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【東卍】I ris 【if】

第2章 5月



場地に慰めてもらおうと思ってた。
でも、結果的には隣に三ツ谷くんも寝ている。
私の想いを知っている場地なりに、気を聞かせてくれたのだろうと思う。

そっと場地の布団に手を入れて、場地に近づき、こちらに向いている服をきゅっと握った。

「場地、ありがとー。」

ぼそっと声をかけると、小さな声で「おー。ペヤングな」と返ってきた。

その返事を聞いて、ごろんと反転をして自分の布団へ戻ると、三ツ谷くんがこっちを向いていた。

「っ!?」

「しー、」

驚いて声が出そうになるが、三ツ谷が自分の口元に人差し指を当てて二ッと笑っていた。
ふー、っと息を吐き、熱を持った顔を布団に埋めて隠した。
どちらを向いても三ツ谷くんに見られていると思うと、気恥ずかしい。

私の布団に、そっと三ツ谷君の手が入ってきて、私の頭を撫でた。

私、もう少しあなたへの想いは我慢するから、少しだけ…、少しだけ甘えさせてほしいー…

頭を撫でる手を掴み、自分の頬へと掌を持って行った。
布団の中は私一人と三ツ谷くんの手だけ。
誰も見ていないこの空間だからこそできる甘えだった。

三ツ谷くんの掌は、私の頬をそっと撫でて温めてくれていた。

ーおやすみ、
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