第2章 5月
「それは…内緒!!」
えーっ…と、あからさまにブーイングされてしまう。
「うーんじゃぁ、質問!バイク乗る人?」
「あー…、うん、そうだね。」
無理に聞かないところは良いところだと思う。
その代わり、私への質問タイムが始まった。
ヒナ、エマ、桜の順番でどんどん質問が繰り広げられる。
律儀に答える私も私だけど、まぁ、気づかれない程度なら…、
「それって、私たちのよく知ってる人!?」
「…まぁ…」
この質問って、ギリでは!?
「次、私!今日来た人の中にいる!?」
「さぁ、どうかなー?」
これはうまく交わせただろうか…。
そして、最後の質問が来た。
ーその人はどんな人?ー
「うーん…イケメンで、優しくて…私の大好きな人。」
よし、これはばれないだろう。そして、間違えてもいない。
3人は不満そうだったけど、これ以上答えるわけにはいかなかった。
桜と気まずくなるのはごめんだ。
…とはいえ、桜に譲る気も全くなかったけど。
「はい、おしまい!」
ぱちん、と両手を胸で一度鳴らして、またお風呂でゆっくりすることにした。