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【東卍】I ris 【if】

第2章 5月


熱海の旅館まではそれぞれバイクに乗っていく。
マイキーの後ろにヒナ。
ドラケンの後ろにエマ。
三ツ谷くんの後ろに私。
場地の後ろには千冬。
たけみっちはまだ二人乗りは心配ということで一人ということになった。
マイキーは最後まで私を乗せたいと駄々っ子のように喚いていたが、私は三ツ谷くんの運転の方が好きだからと言い張った。
本当は、私が三ツ谷くんの後ろに乗りたかっただけ。マイキーにはちょっと悪いことをしてしまったな。

場地はなんで俺だけヤロー乗せなきゃいけないんだとブーブー言っていたが、千冬を邪険にするわけではなく、
千冬は場地の後ろということで嬉しそうだった。

嬉しいのは、私も一緒だった。三ツ谷くんと一緒の旅行で、三ツ谷くんの後ろに乗ることができる。

急な旅行だけど、幸せだ―!!



熱海の旅館と言われてなんとなく、もしかして、とは思っていたけど、まさかピンポイントでここだとは思わなかった。
っていうか、三ツ谷くん知り合いだったんだ。
ちょっと、複雑だ。

「わーい!千夏も来たんだー!」

「桜!こんにちは。」

出迎えてくれたのは、従姉妹だった。
叔父さんには、二人の娘がいる。
一人は25歳の彩夢(アヤメ)ちゃん、もう一人は私と同じ年の桜(サクラ)。
出迎えてくれたのは、二人いるうちの妹の方。
姉はもうすぐ結婚ということもあり、忙しいようだ。

そこは、叔父さんが経営する旅館だった。ここも、子会社の一つである。
親会社は、お父さんの兄が、別の子会社は私の父や別の親族が、そしてこの旅館はお父さんの弟が任されているのだ。

お父さんは3人兄弟。とても仲良しだ。

だから、私も従姉妹たちとは当然仲がいい。

「知り合い?」

「三ツ谷くんこそ、桜と知り合いだったの?」

「おー。不良に絡まれてたとこ助けてから仲良くなった。」

「なるほど。ここ、伯父さんの経営してるところだから、従姉妹なんだー。」

いったい私は何者なんだという目で見るメンバー達の視線には気づかないふりをして桜の案内に従っていった。
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