第1章 4月
談笑したり、テレビを見たりしているうちに時刻は23時を過ぎていた。
ふぁ、とあくびをすると、三ツ谷くんは小さく笑みを浮かべる。
「そろそろ寝るか。」
「うん。まってて。三ツ谷くんの布団私の隣の部屋に用意するから。」
「ん?もう準備できてんだろ?」
「え?」
「お前のベッド。」
「…はい?」
まずい。さすがにまずい。
そこまではダメだ。まだ、ダメだ。
そう私の心が危険信号を鳴らしていた。
「それはさすがにダメです!ぜっっっっったい!」
「ま、だよな。今日は我慢するわ。」
さすがに私の剣幕に圧倒されたのか、あっさり引き下がってくれた。
今日は、という言葉が引っ掛かりはしたが、反論は飲み込んで自室の隣の空き部屋に布団を敷いた。
布団を敷き終えたことを伝えると、おやすみ、と声をかけあって自室へと入った。
一緒にベッドに入ったりしたら…。
明日眠くてマイキーとの花見どころじゃなくなってしまうだろうということが安易に想像できた。
自室の隣に三ツ谷くんがいる
そう思うだけでもドキドキするが、買い物で疲れていた私はすっと眠りにつくことができた。