第2章 小さな村での夜のこと
―――…
気づけば私、素っ裸ですが。
いつの間に脱がされたのか、
長い愛撫と長いキスからの全裸までは早かった。
怒涛のキスで酸素不足だからか、頭がぼーっとして追い付かない。まだ呼吸を整えているというのに…
鬼畜が下にいる。
私の足元で何をしているのかしら?
……
「まだ痛い事はしない。力を抜け、」
――まだって、 言ったわね。
「…大丈夫だ、安心しろ。」
無理だから。
そんな優しい声出したって 泣き叫ぶだの痛みに歪む顔がどうのこうの言った人、信じるなんてできないんだから。 それより私の膝に手を置くのをやめて!
置かれた手が、足を左右に開かせようと不穏な動きをし始めた。ここで股を開いたらおしまいだと 膝に渾身の力を込めて抵抗してみれば、案外 すんなりと謙信様は手を離してくれた。 ――あぁ、この人も鬼じゃなかったんだ。本当にホッとして謙信様を見たのだけど… 私を見る二色の目がものすごく暗く影を落としていて、ゾッとした。
――…
「――吊るした方がいいか?」
「………ぇ?」
「吊るした方が、いいか?」
…つ、つる?
この場に全くもって関係ない単語が謙信様の口から紡がれ、私の思考は停止したわ。そして謙信様は、ゆっくりと私から視線を上へ移して 何故か天井の梁を見ているの…
つるとは… 吊るとは、
そこへ私を吊るすことですか?
……
「ぃゃ……いや です…」
なんてことでしょう。
私は完全に選択を間違えたのです。
先程まで開かなかった足はパッカリと開きました。
すると謙信様の視線は 梁から私のアソコへと向けられ、『あぁ良かった…』心底思ったのでした。
――…
「そ、そんなに見ないで下さい…」
「 なぜだ?」
「だ だって、 恥ずかしいです から、」
「 恥辱で濡れるのか?」
「――っ あぁ…」
謙信様の指に割れ目をなぞられ、自分の声とは思えない様な声が出てしまった。下から上へ縦にゆっくりと撫で返されて、その度に出る声を抑えられない。そして何より滑る様になぞられる感触に、私がぐちょぐちょに濡れている事を否応無く知らされた。