第2章 小さな村での夜のこと
…――――あったかい。
温かくて……
「うぅん…」
――何時だろう?
深夜に目が覚めた。
暗く静かで うっすら目を開けると、寝転がった体勢から見える月だけが妙にギラギラと光ってみえた。
夜の闇に不安や寂しさで飲み込まれそうな体が、
やけにホカホカと温かい。
安心する… というか、
ん?
…え? ええっ!?
何何!?
背中に何かくっついてない?!
コワコワ 怖い怖いんですけどっ
「 ……けっ けん、謙信 様、」
「 ――…目が覚めたのか?」
――――!!!
ヒャァァァ―――!!
くっついてるの謙信様だしっ!
どうしてこんな状況になっているのだろうか?!
幽霊ではないことにホッとしたものの 耳にかかる謙信様の吐息にゾワゾワと這い上がるものを感じる。
「謙、信様? ……」
呼んでみたが続ける言葉が見つからない。
そもそも謙信様は大の女嫌いのはずでは? 佐助くんがあんなに強調していたから、私はてっきり謙信様はあちらの嗜好の方なのだと思っていました。
違ったのでしょうかっ――?
思考を巡らす間にも
私の脇腹に置かれていた謙信様の手が、触れるか触れないかの絶妙なタッチで移動してお尻と太腿を撫でた。興奮を堪えるような溜息を耳元で吐かれ、全身が反応して体がフルリと震えてしまう。
それを良く思ったのか 動く範囲を広げようとしだした謙信様の手。怖くなって脚を引き寄せ自分を守ろうとしたのだけど、やんわりとした力で押し返され阻止された。
胸を掠めていった手はお腹をフワリと撫でて、また膨らみに戻って来る…今度は包み込むように丸く触れられ布の上を這う感触に――…
こんなの本当におかしいと、自分でも間違っているとそう頭では思うのだけど…―― 体がイイって、
気持ちが良いって感じる体が… 怖い。
「 ァ…」
ゆっくりと加減の増す感触に、思わず変な声が小さく漏れてしまう。
…私はこれから犯されるのでしょうか。