満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第5章 その後の話※《煉獄杏寿郎》
杏寿郎が黙って波奈の手首を掴んで、寝室へと導かれる。
杏寿郎の後ろ姿から耳がチラリと見えたが
酔っているのか、照れているのか、赤くなっていた。
杏寿郎は寝室のドアを開けて、すぐに灯りを暗めの優しい暖色色に変える。
それによってこれから抱かれるのだという実感がふつふつ湧いてきて、カッと熱くなる。
そして、ポスンとベッドに腰掛けるように、両肩を軽く抑えて促された。
「ーーー寒くないか?」
「えっ…!あ、はっはい…」
うーん、と杏寿郎は少し考えて、エアコンのリモコンをピッと押す。それから加湿器もついでにピコっと押した。
うう…
おもてなしがいつもながらすごい…
ドキドキしながらその様子を見ていると、
杏寿郎はこちらを振り向いて
よし!とニコっと笑い、
波奈に近づいて、ギュウ、と強く抱きしめた。
先生の匂い…
それと
少しお酒と居酒屋の匂いがする。
波奈はいつもよりも、余計に心臓がバクバクと音をたてていた。
それは、杏寿郎が「先生」であったときのように、
白いシャツと、ネクタイ姿である。その姿のまま波奈を抱きしめているからだと、玄関を開けた時から自覚していた。