満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第46章 その理由を教えて※《宇髄天元》
「……彼女が…、」
「…うん?!かのじょォ?」
「…なんでそこ驚く」
「彼女って、おまえが?特定の女作らねーんじゃなかったっけェ」
目を見開き驚く不死川に、俺は後頭部を掻いた。確かに、中学から付き合いのある幼馴染の彼からしてみれば驚くことだろう。
こと女のことに関しては面倒なことを避けるが故に、セフレは何人もいたが1人の彼女を作ったことはない。波奈が初めてだった。
「…いやまあ…、その彼女が最近夜を拒否すんだよなー…」
言おうか言わないか迷ったが、突破口が欲しくて弱ってる俺はついつい不死川に正直に話してしまった。一瞬時が止まった不死川は、ふ、と吹き出すように笑った。
「ふは!天下の宇髄天元がどうしたァーー、
学生の頃は抱いて欲しい女なんて掃いて捨てるほどいたっつーのに?
浮気がバレて単純に嫌われたんじゃね?」
「浮気なんてしてねえっつの!」
つい声を上げる俺に、不死川は物珍しいものでも見るかのようにこちらを見つめた。
「ん、わりぃ、まじなんか」
「まじだよ俺は」
セックスを断る以外は特に彼女の態度は変わらない。朝はいつもと変わらず朝ごはんを準備してくれて、お弁当も持たせてくれて、いってらっしゃいのキスだって彼女からしてくれた。
…嫌われては、ないはずなのだが。
「抱いたときまずいことしたんじゃねェの」
「まずいことってなんだよ」
「知らんけどよォ」
知らんのかよ。
また俺はハアーーーと深くため息をつく。
不死川は煙草の火を消して、シガレットホルダーに収めながらつぶやいた。
「まあ、ちゃーんと話し合えー」
話は派手にそれからだろォ、と背中をバンと叩いた。彼なりの励ましを受け、俺もそうだな、と返答し、煙草の火を消した。