満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第46章 その理由を教えて※《宇髄天元》
ふぅー、と白い煙を秋の空に吐き出す。久しぶりに吸った煙草はあまり美味いとは思えない。
同棲してからは波奈に気遣って煙草はすっかり辞めていた。
昼休憩、学校の屋上で生徒たちを見下ろす。バスケをしたりダンスをしたり、きゃらきゃらと屈託のない笑い声が聞こえていた。
約半年前はこの中に波奈もいて、ごくたまに美術準備室や屋上からぼんやり眺めていた。
それが卒業後すぐに恋人同士になって、身寄りない波奈をいいことにすぐ同棲に持ち込んだ。
交際は順調だった。男を知らない波奈を慣れさせて、解して、これでもかというほどの手技を与えてどっぷりと甘えさせた。
若くて従順な彼女は快感を受け取るのも慣れて、さらには好奇心もあるのか、こと閨時に関しては積極的なほうだった。
つい最近はもっともっとと強請るようになってきたし、ちゃんと教えた通りやって欲しいことは恥ずかしながらも口にしていた。例えばキスして欲しいとか、ここをこうされると気持ちが良い、とか、。素直で可愛くて、教えればちゃあんと頑張って応えてくれる優秀な元教え子の年下の恋人。
とにかく俺は、年甲斐もなく彼女に夢中で、浮かれていた。それを悟られないようにできるだけクールに装うようにはしていたけれど。
「よォ、お前煙草辞めたんじゃなかったの」
後ろから煙草を咥えた同僚が声を掛けた。
「…久しぶりに吸った」
「へェ、結構長くもったな」
不死川が隣でフェンスに背を預けながら、フゥ、と煙草の煙を吐き出した。
俺はまたぼんやりと生徒を見ながらハアーーーと息を吹き出す。
「…おい、なんだァ辛気臭ぇな」
らしくねェーとそう言い鋭い観察眼の持ち主はこちらを見つめた。
いやまあ、波奈と付き合って同棲してからは浮かれすぎてはいたし、毎日波奈が持たせてくれる弁当もうきうきしながら食べていたし、その落差に不死川は驚いてるのだろう。