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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》




『お久しぶりです。煉獄先生』

彼女がひょこっと社会準備室のドアを開けてとやってきたのは、
卒業してから早2年が過ぎた頃だった。

『んっーーー??!、ごほっ』

飲んでいたコーヒーを喉につかえるほど、驚いてしまった。


『沢田か!久しいな!』

『はい!先生変わってない!』

何故おかしいのかわからないが、クスクスと彼女は笑った。

『ん?そうか?君は…』

と言って彼女をじっくりと見やり、

『うむ!大人になっているな!!』

と笑いかけた。
肩らへんにあった髪は胸の位置まで伸びているし、
顔だって薄くメイクをしている。
もともと端正な顔立ちは、いっそう華やかさが出ている。
うん、でも、2年前と変わらない、優しい雰囲気を持ち合わせていた。

『ーーーーーあ、!』

『む?』

彼女が、あわてて腕時計に目をやった。

『時間か?』

『はい!先生!私、先程産まれました!』

『うん?』

『誕生日です!』

『ん?!おめでとう!!』

『ハタチですよ』

『…それはめでたいな!』

『成人しました。大人です』

『…そうだな。うむ。おめでとう』

『わたしは未成年ではないですし、もう先生のせいとでもないです』

『ん?!…あ、ああ。そう、だな』


『…先生!』

『なんだ?!』

『わたし!あの!』

『うむ!』

『や、やっぱり…!あ、…諦められなくて…!』

『うえ??!…ちょっ、と待て待て!』


カーーーーと、赤くなる顔を手で抑えてしまった。
自分のドッドッという鼓動がやけにうるさい。



『待てません!もう私はあなたの生徒ではないですし、未成年でもありません』

ジリ、と俺の方へゆっくりと近づいてくる。
目の前で触れる距離にまで近づいた。
ふわりと、懐かしい彼女の香りが鼻をくすぐった。


『先生。先生のことが好きです。大好きです…』

彼女は、赤く頬を染めて呟いた。





『…ひ、ひとおもいに振ってください!


これでわたし、本当に諦めまーーーーー?!』



気づけば俺は、
彼女の腕をグッと掴み、彼女の背中に手を回して、華奢な彼女は俺の中にすっぽりと収まってしまった。

『えっ…!せ、せんせ…?!』

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