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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》



沢田が卒業してからの
春休みはもうすぐ明ける。
春休みが終われば、入学式があり新入生が入ってくる。

別れと出会い。
春は何かとザワザワと心をざわつかせる。




失ってから改めて気づく感情というのはよく言ったものだ。
あまりにも滑稽で情けなく感じる。

社会準備室の部屋
保健室のベッド
教室、廊下、グランド

至る所に彼女との思い出は思ってた以上に色濃く残されている。
残された自分は、もうどうすることもできずに立ち続ける。


抱いてはいけない、というより、抱くものではない、彼女へのどうすることもできない想いが、ふつふつと、じっくりと、あの告白された日から続いていた。


『どうしようもないな、俺は』


まあ、この気持ちも、いつかは消えて無くなるだろう。


そして彼女には、数年会うことがなかった。



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