満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》
せんせえ〜聞いて〜
社会準備室の椅子に座って俺を待つ彼女が、ふとそこにいるような感覚に陥った。
『うむ。おめでとう。がんばれ!!』
彼女にエールを送った。
『誰に言ってるんですか?』
と後ろから突然声をかけられた。
『?!沢田!まだ帰ってなかったのか!』
動揺してガタン、と椅子から立ち上がった。
『いろんな先生にお世話になったので声をかけてたらこんな時間に…。ここに煉獄先生いてるかなあと思って』
卒業証書を手にした彼女が、社会準備室に入って、ドアを閉めた。
『そうか!改めて、沢田少女、
合格と卒業おめでとう!!』
『ありがとうございます!これも先生のおかげです』
『俺は教師としてやるべきことをやったのみ。君はものすごく頑張ったな!』
『先生はわたしの光です』
『光か!それは光栄だな』
ははは!と笑う。
『ーーーで、それを言いたくて』
『ああ。ありがとう』
『…はい…では、さようなら』
『はい。さようなら。また明日、ではないが、またいつか』
…
…
長い沈黙の後、彼女は後ろを振り向き、
ドアに手をかけた。