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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》


まだ冬の寒さが厳しい中でも、ふわりと温かな日差しが感じ始めてきた。
木々にはポツポツと桜の蕾が見え始めた。

さて卒業式である。
高校三年生を受け持った俺は、身が引き締まる思いがした。
なんとか高校三年生全員の進路が確定し、ほっと胸を撫で下ろした後、ついにこの日がきた。

卒業生を送り出すのはなんとも淋しいがそれ以上に、彼らにはいっぱいのエールで送り出したいと言う気持ちが大きかった。
厳かな卒業式が終わり、
しばし卒業生との別れを惜しんだ。

涙を流す女生徒たちは多く、
1人1人、弟にするように頭を撫でた。
これからもがんばれ!はげめ!と言う言葉を添えて。


あたりを見回すと沢田波奈の姿は見当たらず、
もう帰ったのか、と胸に引っかかった。
あいつはほんとうにいつも忙しい。

まあ、こんなあっさりとした別れも珍しくはないし、彼女は家から通う大学に進学するので、道端でばったりと会えるかもしれないな。

と、彼女の柔らかな笑顔を思い浮かべながら
社会準備室のドアをあけた。

なぜ、彼女のことを考えてしまうのか、
という気持ちは無意識のうちに蓋をする。
きっと家庭環境も過酷だし、彼女は人一倍頑張る生徒であるし、教師として、思い入れが強かったのであろう。と。蓋をする。


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