満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》
それから、俺はすぐさま
学校に彼女の置かれている立場について学校内で報告し、共有、相談。会議。どうすればいいのか共に同僚たちは考えてくれた。
家庭環境を調査。
対応してくれる管轄に報告、相談。
俺がやれることは全てやったし、
毎日沢田に声をかけた。
そして毎日電話した。
それには沢田も
先生もうわたしの身体は大丈夫です
と言ってたが
ちゃんと食べれているか?お母さんの具合はどうだ?妹はちゃんと帰ってきてるか?
そんな会話をしていたように思う。
そして彼女は、一度俺に胸の内を吐露したこともあってか、俺の前では甘えたような?子どものような態度を取るようになった。
『もーれんごくせんせえー数学のテストがわかんないんですよー
範囲も多くて不死川先生鬼みたいですよね?
もうやだー』
社会準備室の机に突っ伏してこういう愚痴をこぼすようになった。
そして俺以外の先生にはいつも通り優等生の沢田が出てきて、なんともそれが面白かった。
『ほら。優等生の沢田。明日からテストだろ?今日は早く帰って明日に備えて早く寝なさい』
『む。先生早く寝ろしか言わないですよね?』
『そんなことないぞ』
『はーい!子どもは早く寝ま〜す!』
ふにゃ、とした笑顔を見せたり、む、と拗ねたり、彼女の表情は忙しそうだ。
そんな彼女を見て胸がふつふつと騒がしく、楽しく感じる
その後は沢田家には、母方の祖母が来たらしく。
どうやら管轄から連絡がいったらしい。
『もう家事はおばあちゃんがしてくれることになったから、しなくていいんです。それだけですっごく楽になって。お弁当は茶色くなったけど、おばあちゃん優しくて頼れるんです』
祖母は有り難くも沢田家の救世主であったらしい。
『お母さんの鬱も、薬を飲みつつ、元気な日も増えてきたように思います。
妹との時間も増えたから、妹と家で過ごすことも増えたの。先生はわたしの恩人です。先生ありがとう』
定期テストも無事終わった頃だった。
彼女は俺がいる社会準備室に入り、近況を報告して笑顔を見せてくれた。
『俺は教師としてやることをやったのみだ。
恩人なんてそんな高尚なことはしてない』
『そう言うと思いました。でも先生、ほんとにありがとうございます』
スッキリしたような顔だった。
いろんなことがあった定期テスト期間だったが、彼女の成績はすこぶる良かった。