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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第35章 初夜のあとのお薬※《宇髄天元》



宇髄が夕刻に帰ってきてからは忙しかった。
なにせ風柱の不死川実弥と一緒の帰宅であったからだ。
不死川はふらりと旅に出て、たまにこうして帰ってくるそうだ。
鬼殺隊として戦っていた頃は殺気だった雰囲気で迂闊には近づけなかったが、今は角が取れてまあるくなったいる気がする。

突然の来客に、こっそりと波奈に宇髄は謝った。

「急にわりぃな。突然会って晩飯がまだだっつーから連れてきた」

「いえ!わたしも風柱さまに久しぶりに会いたかったので、嬉しいですよ」

突然の来客は気を使うと思っていたのか、波奈の言葉を聞いて宇髄はほっとしたようだった。
夕飯はせっかくだからと牛すき焼きにした。
昨日食料を配達してくれた精肉店が、氷と牛を下ろしてくれたのだ。

「ご馳走じゃねェか。気を使わしたな」

と不死川が労ってくれた。微笑む不死川は、殺の字を背にしていた頃とは雰囲気が違い、ほわほわと優しい。

「なんか懐かしい味すんなァ」

「蝶屋敷だろ」

「あァ、だからか」

合点がいった不死川は感心したように箸をすすめている。
その様子にホッとして、波奈も箸を手に取る。

「波奈、お前胡蝶んとこの薬も作れんのか?」

「ん、はい。全部ではないですが…だいたいは」

「んじゃあいつもの俺の薬も?」

「傷のお薬ですよね。大丈夫ですよ!今度用意しておきますね」

「わりぃなァ、…宇髄、お前できた嫁さんもらったな」

「やらねえぞ」

「は、妬くな妬くな」

宇髄は静かにご飯を口に運びながら、じろりと不死川をみると、不死川はくっくと笑ってそう言った。


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