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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第34章 くらし、始まる※《宇髄天元》



寝室に、ふたつの布団を当たり前に並べて敷かれ、波奈は湯浴み後にそれを見て固まってしまった。

「あぁ、湯浴みは済んだか」

その布団の上でどっしりと宇髄が座っている。

「なぁに固まってんだよ。早く布団に入れ。身体が冷えるだろ」

ばさりと布団を捲られ、そこをトントンと手で叩く。
おずおずと入ると、当然のように宇髄も同じ布団に入る。

「あええっ?…宇髄さん?」

「わーってる。なんもしねえよ。あっためてやるからじっとしてろ」

そう言って宇髄は波奈を後ろから抱きしめて、大きな手で波奈のお腹を撫でた。
波奈は驚いて身体が小さく跳ねる。
宇髄はお構いなしで、波奈の下腹部をマッサージするように撫で続けた。

何もしない。先程そう言った言葉を聞いて波奈は安堵する。
月のものが来たからには当然できない…はず?と確信を持てなかったので。

お腹も痛ければ、腰も重い。
久しぶりに来た月のものは存外に煩わしかった。
しかし宇髄の手によって、それがだんだんと消えていくのだから不思議だった。

「……足も冷たいし手も冷たいな」

「…宇髄さんは、熱いです」

「派手だろ」

大きな足が、波奈の足先に絡んで熱を分けてくれる。
近い距離にドギマギして、正直逃げたくもなったが、
こんなに温かくて、その緊張もいつしか解けていく。

この人は、月のものの症状を抑えるツボでも知っているのだろうか。
さすが3人も奥方がいた男だと感心する。

「…そこ、気持ちい、です」

「だろ」

グ、と下腹部を優しく押され、波奈はそう伝えた。
お腹も足も、全身温まって、ゆうるりと眠気が襲ってきた。
波奈は静かに思いのままに、瞳を閉じた。

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