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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第34章 くらし、始まる※《宇髄天元》


⭐︎


重い瞼を開ける。障子越しからの朝日の光で瞳を刺激された。
泣きすぎて瞼が腫れ上がっているようだ。
目がしょぼしょぼと乾燥していて、
昨日の夜は、泣き疲れていつの間にか寝てしまったみたいと理解した。

は、と気づくと、目の前には隣にくーくーと寝ている宇髄の、鍛え上げられた胸板だった。

「…っ!!」

驚いたが咄嗟に声を出すのを止めることができた。
ぎゅうと抱きしめられたまま、そして宇髄の逞しい腕に、腕枕をされているままである。
波奈はその近すぎる距離に、カアアと顔中に血が集まるのを感じた。

ゴリ、と太ももらへんに硬いモノが触れたような気がして、ふと目線を下げると、宇髄の股間辺りから着流しが上に押し上げられ、それが波奈の太ももに当たっている。

「ーーーっひや、…っ」

それが一体なんであるのか、わかってしまった途端には小さく悲鳴をあげてしまい、波奈は慌てて自分の口を手で押さえた。

う…ん、ともぞりと動いた宇髄は、ゆっくりと目を覚ました。


「…………はよ」

まだ寝ぼけているのか、宇髄はそう小さく挨拶をした。


「おは、おはよう、ございます!」

波奈はそう返答し、大慌てで布団から起き上がった。
もう宇髄の顔は見れない。咄嗟に後ろを向く。


「…もう起きんのか」

「え、あ、はい、朝食の支度をし、しますので…っ
宇髄さんはまだ休んでいてください!」


着崩れた寝巻きを直しながら、波奈は宇髄に背を向けたままばたばたと台所へ向かった。

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