満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第33章 媚薬50本飲まないと出れない部屋※《宇髄天元》
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「…宇髄さん」
「あぁ、ここ座れ」
湯浴みが済んで部屋で波奈を待っていると、カタと襖が開く。
湯浴みが済んで、浴衣姿の波奈をこちらに誘い、正面に座らせた。
身体は平気かと尋ねると、平気ですと柔らかく答える。
「…お前さ、好いてる奴いんのか」
「えっ?ど、どうして、ですか?」
明らかに動揺し聞き返した波奈の正面に、宇髄はあぐらをかいた。
「いや、好きでもない奴にあーゆーことされて、さぞ嫌だっただろうなと。わるかったな。
お前が何度も男のソレを見たことあるっつーから、腹立って無体を強いた」
宇髄がたんたんとそういうと、波奈はよくわかってないのか、考え込んでいるようだ。
宇髄はもう腹を括った。すれば悩んでいたことなんざ、馬鹿らしく思えてくる。
「…え、えっと…」
「わかるか?俺はな、お前が他の男のを見たことが許せねえ」
赤いルビー色の目に、ギラリと鋭く見つめられ、波奈は怖気付く。
頭がまだ混乱して、宇髄の言っている真の意味がわからなく、余計に混乱してしまうのだ。
「今は恋仲の奴がいるのか」
波奈はドッドッと大きくなる心臓をどうにか抑えて、宇髄のその問いにふるふると顔を横に振る。
すると宇髄はほっとしたような顔をして、波奈の手を上から重ねるように握った。
「お前が好きだ。
好いた奴がいねーんなら、口説くぞ」
「…へ…っ?!」
真っ直ぐな目で波奈を見据え直球で胸の内を打ち明けると、波奈は真っ赤な顔になって混乱していた。ま、無理もねえか。宇髄は慌てふためく波奈が面白くて口角が上がった。