満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第33章 媚薬50本飲まないと出れない部屋※《宇髄天元》
(ーーーよし、あと一本……)
手元は震えて大層情けないが、ようやく50本目だ。
50本飲みきり、外に出れたら波奈をすぐさま帰して、自分は藤の家紋の家で休もう。溜まりに溜まったモノをすぐにでも吐き出したい。
それから、波奈とのことはどうするか、ちゃんと嫁たちにも話して、波奈とのこれからをきちんと譜面を作らねばならない。
残りの小瓶に手をかけようとしたが、あったはずの残り一本の小瓶は見つからない。
ーーーカラン。
と音がして、その方を向くと、小瓶がコロコロと転がっていく。
「う、…うずいさ…っ、」
苦しそうに名前を呼ばれ、波奈を見やると、波奈はへにゃりと床に倒れ込んでいた。
「ーーー?!お、おい?!どうした?!」
慌てて駆け寄り、波奈を抱き寄せる。
波奈は力なくへにゃりと体重を預けてきた。
「ごめんなさ…っ!うず、さんが、苦しそう、だから…っ、
一本だけ、飲ん、じゃって、…っ、そ、それで…っ」
「はあ?!媚薬飲んだのお前?!」
「い、いっぽんだけなの、…でも、…うずいさあん…っ」
波奈じわあ、と瞳には涙が零れ落ちそうで、眉毛は垂れ下がり、ビクビクと足先が震えていた。
縋るように腕を掴まれて助けを乞われる。
ごくん、と唾を飲んでしまう。
「…あ、あついの、うずいさ…っ、ここ、あつい…っ!」
内膝同士を擦り付けて、真っ赤な顔で熱い熱いと言いながら波奈は足の付け根を抑える。
……ちょ、……っとまじで勘弁してくれ。
宇髄はバッと目を背ける。
「…うずいさ、た、たすけてえ…っ」
ヒク、と泣きながら縋るように腕を掴まれる。
どうすることもできない欲求に、波奈は戸惑って、腰を浮かしてただ必死にもがいている。
「……わーったよ、…っ!助けてやるから早く出るぞ!」
腹を括り宇髄は波奈を横抱きにし、
この妙な部屋にいつのまにか現れた出口をめがけグっと力を足に入れた。
ーーーそして冒頭に戻る。
つづきます→