満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第4章 愛に似た《煉獄杏寿郎》
「うおおーーい!!沢田ーー!」
「おい、宇髄」
大きな声で手を振る宇髄を素早く制止したが、名前を呼ばれた彼女はクルっと振り向いた。
「!う、宇髄先生?!え、胡蝶先生に不死川先生?」
驚いた彼女が声を出した。
「れ、煉獄せんせいも…!」
ハッとしたような、彼女の表情に気づいたが、俺はニコっとしてヒラヒラと手を振った。
「卒業ぶりだなァー沢田。元気にしてたかァ?」
「はい!すっごく元気にしてました!先生方もお久しぶりです!」
「えらくまた派手派手な飲み会してたなー!サークルかー?」
「あ、はい!歴史サークルです」
「へえ、歴史ねー」
チラッと宇髄は俺の方を見るが、気づかないふりをしてゴクンと生ビールを飲む。
「そっちの飲み会はもう終わったんだろ?こっち来て一緒に飲むぞ!」
「おい、宇髄。彼女だって予定があるんだし無理には」
「そうね!わたしも久しぶりに沢田さんとお話ししたいわ♩」
「え、でも…」
「いいのいいの!煉獄!お前、沢田のことお気に入りだったんだろ?煉獄も沢田と話したいよな?」
「な!お気に入りとは…俺は特定の生徒にそういった行動はしてないつもりだが?」
宇髄の言葉に反撃するも、
「ほら、ここ座れェー」
という不死川の言葉により、宇髄と不死川の間が空けられ、
ん、じゃあ…失礼します。
と言って、彼女はそこに座ったのであった。
もう一度乾杯の音頭を取る。
彼女が卒業してから2年ほど経つが、
こうやってお酒の場で一緒に飲むのは少しまだ違和感がある。