満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第33章 媚薬50本飲まないと出れない部屋※《宇髄天元》
『もしかして初恋ですか?』
さてそんなことを言われたのをふと思い出し、
さらにあの波奈に包帯を巻かれた時のことを思い出して、宇髄は狼狽した。
宇髄は人が何を考えているか、感情の機微に関しては鈍い方ではなくむしろ鋭い方ではあった。いわんや自分がどう思いどう行動するのかを、じっくりと考える性格ではあった。
しかしこの少女を前にしてしまうと、どうもうまくそれが出来ず、心が騒がしい。
しかも今は、朝までこんな狭い空間で、2人きり。
朝まで?
バチン!
宇髄は自分の両手で自分の頬を叩いた。
「う、宇髄さん?どうされました?」
「ーーー出口を探す」
「ええ?でも、出口なんてないですし朝まで待てばーー」
波奈の言い分を無視して、壁に向かって刀を振り下ろした。しかし音の呼吸の轟をもってしても壁はびくともしない。何度か試してみたものの、体力が奪われるだけであった。
はぁはぁと息も切れてくる。
「…クソっ…!………やっぱアレに従うしかねーわけね」
「えっ、アレ…ですか」
波奈と宇髄は同じ視線を向けた。