満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第33章 媚薬50本飲まないと出れない部屋※《宇髄天元》
『…宇髄さん、結構背中やられてますね…。
縫う必要はなさそうですが、
清潔にして消毒をしてから化膿止めも塗っておきますから』
消毒液が浸してある綿球を捨て、摂子とガーゼを使って薬を塗っていく。
『…わりーね胡蝶』
ふ、とため息を吐いた。あーなっさけない。
柱ともあろう俺が怪我をするなんて。
ため息を吐いた俺に気づいて、胡蝶は『部下たちはあなたに感謝してますよ』と励ますように声をかけた。
『…波奈、あとは包帯してくれるかしら』
『あっ、はい!』
胡蝶の介助についていた波奈は、包帯を準備して宇髄の真後ろに立った。
細くひんやりした手が、背中に触れる。
『…う、わ、宇髄さん大きい』
包帯を巻くために手をお腹のほうへとぐるりと回した。
『…っ?!ん”っ!…』
『えっ?どうかされましたでしょうか!』
宇髄が小さく声を漏らしたのを聞いて、波奈がぴたりと包帯を巻くのを止めた。
ちょうど宇髄のお腹のあたりを巻いていたときで、大きな宇髄の体格を、波奈が抱きしめるような格好であった。
『…なっなんでもねーわ!はよ巻け!』
『は、はい!すいませえん!』
宇髄はドッと聞こえた自分の心臓の音に、激しく動揺してしまった。
触れられた指先から、ビリっと電気が走るような感覚にも、驚く。
宇髄さん、大きいと言われて、包帯を巻くだけといえど後ろから抱きしめられるような波奈の行いをされて、頭から血が昇るのを感じる。
いやいやいや、なんで俺が赤くなってんだ。
地味におかしーだろ…。
宇髄の露わにさせた上半身を、波奈の華奢で細い手が何度も行き来する。ぐ、と息を止めてしまって、苦しい。
ようやく巻き終えて、宇髄はハア、と脱力した。
『……どーも』
包帯を巻かれただけであるのに、ぐったりだった。
そんな宇髄を見て、胡蝶は不思議そうに宇髄を見つめる。
雛鶴は、クックと笑いを堪えた。