満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第33章 媚薬50本飲まないと出れない部屋※《宇髄天元》
「ーーーで、隊士の治療が遅くなって夜中に出歩いたら鬼に遭遇して見事に血鬼術にかかったっつーわけね」
「う、…は、はい」
波奈はしょぼんと項垂れた。
「こっ…のド阿保!夜はあぶねーから出歩くなって言っただろーが!!」
「わあんごめんなさあい!」
だってだって、怪我をした隊士の様子が気になって家に言ったら化膿がひどくて、それで…、と言い訳を重ねている。
波奈は医療の知識があり、蝶屋敷や看護を行なっている。蝶屋敷にとどまらず自宅まで出向いてる、ときた。
仕事熱心なのはいいが、昼夜問わずにずっと働いてる。
頑張り屋で、危なっかしくて、放って置けない。
宇髄は隊士ではないがこの少女、波奈を気になって仕方がなかった。
「あの鬼、目が合うだけで血鬼術にかかるそうですよ」
「あぁ、そう言えば目があったわ。あん時か…」
「出口や戸はないし、閉じ込められているようです…」
「んまあ、鬼の首は切ったし朝には出れんだろ」
「えっ!あの鬼の首、切ったんですか?」
「はぁ?当然だろ」
「さすがです!!音柱様!」
波奈はパアアアっと花が咲いたような笑顔をこちらに向け、両手を合わせて喜んでる。
あけすけもなく素直に真っ直ぐに褒められ讃えられて、悪い気はしなかった。むしろ、気分が良い。
すごいすごい!とまるでお伽話のヒーローを見てはしゃいでるかのように興奮している波奈は、まだまだ子どものようで、なんともまあかわいらしい…、
と思った途端、ほんの微かにギクリと自分の身体が緊張するのがわかった。