満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第32章 禁欲の制裁※《宇髄天元》
ーーーねをあげてしまったのは波奈からだった。
『1ヶ月セックス禁止』から、2週間と少し経ったあたりだった。
これは、所謂むらむらというやつなのでは。
波奈は宇髄を想うとキュンとするお腹の当たりが苦しかった。
どちらかというと宇髄のほうがセックスには積極的だったし、たまに波奈がしたいと思うと何となく宇髄は察して抱いてくれた。
なので、どうすれば宇髄は波奈を抱いてくれるのか頭を抱えてしまった。
ソファーに座る宇髄の横に座って、勇気を振り絞って手を握ってみたり、ぎゅっと抱きしめたりしてみたものの、宇髄は優しくそれに応えてくれるのみで、それ以上のことは起こらなかった。
「…う、うずいさん…」
「んー?」
「あの…っ、し、したくなっちゃったので、しませんか…?」
ブワアっと熱が上がり真っ赤になりながらそう告げた。
宇髄の顔なんてそうそう見れたもんじゃなく、俯きながら必死に。
もう恥ずかしいとは言ってられないぐらいだったし、単刀直入での勝負だった。
宇髄は目を一瞬見開いて、そのあとククッとおかしそうに笑った。
「…なんだァ?もうお手上げ?」
「ひ、ひど…っまだ、怒ってるんですか、」
「怒ってねぇよ。怒ってねえけど、身体で解らすことも必要だろ?
お仕置き」
「お、おし、おき、ですか?」
「そ。お前がもう記憶なくなるまでお酒飲まねーこと、身体で覚えないとなあ?
まさか、自分でヤってねえだろーな?」
「そっ、やっ…ってない、です」
「んじゃ、引き続きよろしく」
意地悪そうにそう笑う宇髄を波奈は恨めしく見つめると、宇髄はますます可笑しそうに笑う。ポンと頭を撫でる手は優しいのに、していることはずっと意地悪だ。
そうだ、思えばこの人は、私がハタチになるまで抱かずに理性を保ち続けた人だ。大抵の我慢はなんなくこなせる人だ。
波奈は身体の熱をどうにかやり過ごしながら、膝を抱えた。