満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第32章 禁欲の制裁※《宇髄天元》
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「昨日はほんとにすいませんでした!!
酔って記憶を無くしてさぞご迷惑をおかけしました!」
ソファーに座ってスケッチしている宇髄を前に、波奈は床に正座して頭を下げた。
ピタリと手を止めた宇髄はスンとした表情で、波奈を見る。
「ーーー別に。もう怒ってねーよ。ただまあ、記憶なくなるくらい飲むのはもうやめとけ。自分の飲める量をちゃーんとわかっとけよ」
「…はい先生…」
「ふは、わかればよし」
そう言って笑いながら波奈の頭を優しく撫でる宇髄は、たぶんもう怒ってはいなさそうだ。波奈はほっと胸を撫で下ろす。
宇髄はパタンとスケッチブックを閉じて、伸びをして欠伸をする。
「…んじゃあ、おやすみ」
「えっもう寝るんですか」
「明日朝はえーんだよ」
そう言いながら宇髄は大きな手で波奈の頬に触れた後、波奈の額に優しくキスをする。
疲れているのだろうか。いつもより早いお休み時間ではある。
「…おやすみなさい」
試験中はなかなかゆっくりできず、昨日も飲み会だったので、2人の時間はあまりなかった。
今日は2人でゆっくり過ごしたかったな…
そんな想いを飲み込んで、
波奈は少し名残惜しくそう返答した。