満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第29章 噛みつきたい!【不死川実弥】
「…あの、では、…腕、を…」
「……」
真っ赤になり恥ずかしがる波奈を見下ろす。
…悪くはなかった。
ん、と言うふうに、シャツを捲り上げて腕を出した。
傷だらけの、男の太く逞しい腕を。
波奈はその腕を両手でとり、ゆっくりと口元へ近づけ、小さな口をパクッと開けた。
あ、やべ。
そう胸で小さく呟いた。あまりにもその姿が艶めかしかったからだ。
「ーーー?!いってえええーェ?!!」
ガブリと噛んだ波奈が、不死川の思いもよらぬ絶叫に、びくっと身体を震わした。