満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第28章 望みとあれば※【宇髄天元】
障子の隙間からは満月の月明かりが優しく差し込んで、庭から鈴虫がリーリーと鳴いている。
音屋敷とはいえどその虫以外の声は聞こえない。
波奈はここ音屋敷でその主人の帰りを待っていた。
鬼狩り任務から帰ってきたのは深夜で、彼は湯浴みが済んですぐに寝室に入り、波奈を布団に押し倒した。
波奈は鬼狩り後の宇髄の身体を気遣ったが、宇髄は全くと言って良いほど疲れては無さそうだった。それが鬼殺隊最強と言われる柱の実力故だろうか。
久しぶりの逢瀬だった。波奈はこの宇髄との行為は、少しまだ怖いし恥ずかしいが、彼のことを一等好きだから、この時間が好きだった。
割とクールで、元忍びということもありその胸の内はまったくわからない。しかし、行為の最中は真っ直ぐに波奈を見つめて、波奈を気持ちよくさすためにあれやこれや考え実行し、きつく抱きしめられ愛おしそうに波奈…と、呼び興奮する様は、波奈を熱く幸せにさせた。
好きな人の望んでいることは何だってしたいと思う。尽くして、甘やかしたいと、8個も年上の、しかも柱の彼に、そう言う感情を波奈は抱いていた。
なので、縛ってもいいかと聞かれたときは驚きはしたが、嫌ではなかったし、望むのであればしたいようにして欲しかった。
他の誰でもない波奈だけにそう臨むのなら、むしろ、その願いが嬉しかった。