満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第27章 乾杯の夜の秘密※【宇髄天元】
「ただいま」
「おかえりなさーい!」
金曜日。仕事を終えた俺が玄関を開けると、パァッと嬉しそうな波奈がエプロン姿で玄関まで出迎えてくれた。
…可愛すぎか?ぐっと胸を射抜かれて んっ、と声を詰まらせた。
「これなに?お土産?」
「見つけんの早いな」
くくっと笑って紙袋を波奈に渡した。
「えっ♡なになに?お酒?」
「煉獄が家族で沖縄旅行に行ったらしく、その土産」
「泡盛だー!どんな味かな?」
紙袋から出した大きな瓶のパッケージを見つめて、至極楽しそうにはしゃぐ。泡盛は沖縄のお酒だ。煉獄ありがとう。
「あとで一緒に呑む?」
「うん!楽しみだなあ」
おつまみ、何がいいかなーと、それをかかえてキッチンの方へ向かう。
ハタチを迎えて、波奈はお酒を解禁した。
その記念すべき日、初めは2人で乾杯して、波奈も呑めそうな甘めの酎ハイを。
ジュースみたい!とグビグビ調子に乗って呑みまくり、2缶目で机に突っ伏していた。
いや弱いな!と真っ赤な顔をした波奈を呆れながらも、とろんとした寝顔はものすごく可愛かった。
次に波奈がお酒を呑んだのは、前回の失敗も踏まえての、呑みやすい甘い酎ハイをちびちびと呑む。
それからビール、日本酒、ハイボール…と俺が呑んでいるのを少しずつ貰い、自分の適した酒の量がだいたいわかってきたのか、この1ヶ月でずいぶんとお酒には慣れつつある。
こいつは生徒の頃から何をやらせても優等生で覚えんのも慣れんのも早い。感心する。
しかし、
俺の彼女は、酒を呑むとある癖が出る。
ーーーさあ、お前は一体今夜は、どんな風に俺を楽しませてくれるのだろうか。
俺は内心めちゃくちゃ楽しみで、夜の晩酌のためにグラスとお酒を冷蔵庫に冷やした。
→つづく、