満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第26章 寝不足の彼女※ 【宇髄天元】
ダラダラと仕事をして、気づけば日付が変わっていた。
そろそろ寝るかとブルーライトカット用の眼鏡を置いて、寝室へと静かに入る。
そろっとベッドに入ろうと布団をめくる。
「…お仕事おつかれさまです…」
「んあ?!まだ起きてたのかよ」
もう既に寝ていると思い込んでいた俺は驚いて少し大きな声を出してしまった。波奈は枕を抱え込んでうつ伏せになっていて、俺の方を見ている。
「…わり、起こしたか?」
「いえ、うとうとしてたんですけど、寝れなくて…。お昼寝しちゃったからかな?」
「あっそう………んじゃ、おやすみ」
あっぶね。一瞬、んじゃあ一発ヤりますか!と思ってしまった俺は本当に馬鹿だな。
ふ、っと笑いながら目を瞑った。
「…うずいさん、」
「なに」
「今日胡蝶先生に、宇髄先生に言いたいことはきちんと伝えてねって言われたんです」
「胡蝶先生が?」
瞑っていた目を開き波奈を見ると、こちらに身体を向けてじっと俺のほうをみている。
「…なので、言いたいこと、言っていいですか?」
「…どーぞ。派手になんでも言いやがれ」
俺も身体を波奈に向ける。
波奈の言いたいこと。
少し胸がざわついた。
好き勝手にしてしまっている俺は責められてしまうのだろうか。
もしそうならきちんと謝って…、それで、これからのことをゆっくり話そうと思う。
これからは波奈が疲れない程度に、休み休みに、身体を重ねていこう、と。
そんなことを考え身構えていると、波奈はふとんを口元までかぶり、目から上だけ布団から出るように隠した。
「…あの、」
「…うん」
「きょ、今日は、しないんですか…」
「…は?」
「…し、しないと眠れない…」
波奈が布団を顔半分隠している理由、それは顔が真っ赤だから隠しているのだと気づいた。
波奈の言葉の意味を、きちんと理解するまでに時間がかかり、フリーズしてしまう。言っている意味がわかったとき、ズキュンと音が心臓のほうから派手に聞こえた。
どうやら俺は心臓に矢が打たれたらしい。